【鍼灸院の経営】開業1年目の失敗を防ぐ!月次損益計算書の見方と経営判断3ステップ

鍼灸院経営者が月次損益計算書を確認しながら経営判断を行っているイメージ

こんにちは!鍼灸院の経営塾‐AMG‐代表の宮崎圭太です。開業して毎日忙しく施術しているのに、なぜか手元にお金が残らない…そんな不安を抱えていませんか?🤔

「売上は分かるけど、利益がどのくらい出ているのか分からない」「損益計算書は税理士が作ってくれるけど、見方が分からない」「数字が苦手で、経営判断に自信が持てない」

開業1年目は特に、経営の数字を正しく理解できないまま進んでしまうことが多いんです。

このブログを読むと、月次損益計算書の見方が分かり、自分の鍼灸院の経営状態を正確に把握できるようになります。

さらに、数字をもとに具体的な経営判断ができるようになるので、売上アップや経費削減の行動を自信を持って進められます。

経営数字を味方につけて、安定した鍼灸院経営を実現しましょう!

目次

開業1年目の鍼灸院が陥る経営数字の3つの落とし穴

売上だけ見て満足してしまう危険性

開業1年目の鍼灸師が最も陥りやすいのが、「売上だけ見て満足してしまう」ことです。

「今月は50万円売り上げた!」と喜んでいても、実際に手元に残るお金はほんのわずか…なんてことがよくあるんです。

売上が増えても、経費が同じように増えていたら利益は出ません。

例えば、売上50万円でも、家賃10万円、広告費15万円、消耗品費5万円、光熱費3万円、その他諸経費7万円で合計40万円の経費がかかっていたら、利益は10万円です。

さらにここから税金や自分の生活費を賄わなければなりません。

売上だけを見ていると、「忙しいのに儲からない」状態に陥ってしまうんです。

重要なのは、売上ではなく「利益」です。

経営の健全性を判断するには、必ず利益を確認する習慣をつけましょう。

税理士任せで経営判断ができない

「税理士さんに任せているから大丈夫」と安心している方も多いのではないでしょうか?

でも、ちょっと待ってください。

税理士は税務の専門家であり、税金計算や申告のプロです。

しかし、経営判断はあなた自身が行う必要があるんです。

税理士が作ってくれる決算書や月次報告書を見ても、「で、これってどういうこと?」と分からないままでは、適切な経営判断はできません。

数字を理解していないと、税理士に的確な質問もできないし、経営相談もできないんです。

だからこそ、経営者として最低限の数字を読む力を身につける必要があります。

税理士はサポートしてくれますが、経営の舵取りをするのはあなた自身です。

資金繰りと利益の違いを理解していない

「今月は黒字なのに、なぜか手元にお金がない…」

こんな経験はありませんか?

これは、利益と資金繰り(キャッシュフロー)が違うものだからなんです。

利益が出ていても、以下のような理由で手元にお金が残らないことがあります:

  • 回数券を販売したが、施術はまだ先(売上は計上されるが現金は先に使われる)
  • 設備投資や備品購入で大きな支出があった
  • 借入金の返済がある
  • 自分の生活費を取りすぎている

損益計算書上は黒字でも、実際のお金の流れ(キャッシュフロー)が追いついていないと、支払いができなくなってしまいます。

利益とキャッシュは別物だと理解し、両方を管理する必要があります。

AMGメンバーの事例を元にした月次損益計算書活用の重要性

月次管理で経営改善に成功した鍼灸院の実例

AMGのある鍼灸院では、開業当初は売上だけを追いかけていました。

毎月60万円ほどの売上があり、「まずまずかな」と思っていたそうです。

しかし、月次損益計算書をしっかり確認するようになってから、大きな変化がありました。

経費を細かく見ていくと、効果の薄い広告に月8万円も使っていることが判明したんです。

その広告を停止し、代わりに無料で月10人集客できる鍼灸院のMEOの5つの設定に力を入れたところ、集客数はほとんど変わらず、経費を月8万円削減できました。

さらに、月次で数字を確認することで、「今月はリピート率が下がっている」「新規が少ない」といった課題に早く気づけるようになり、すぐに対策を打てるようになったそうです。

結果、半年後には営業利益率が10%から25%まで改善しました。

月次管理をするだけで、こんなに変わるんです。

数字を見ないまま経営して失敗したケース

逆に、数字を見ないまま経営を続けて失敗したケースもあります。

AMGのあるメンバーは、開業して半年経った頃、突然資金がほとんど残っていないことに気づきました。

「毎月ちゃんと売上があるのに、なぜ?」

原因を調べてみると、以下のような問題が見えてきました:

  • 家賃が売上の25%を占めていた(適正は10〜15%)
  • 広告費を毎月20万円以上使っていた
  • 消耗品や備品を必要以上に買いすぎていた
  • 固定費が高すぎて、売上が少し下がるとすぐに赤字になる構造だった

もし月次で数字を確認していれば、もっと早く気づいて対策できたはずです。

数字を見ないまま経営を続けることは、目隠しをして運転するようなものなんです。

経営数字の見方に不安がある方は、AMG公式LINEで実践例を配信していますので、ぜひ参考にしてください。

月次損益計算書を読み解く3ステップ完全ガイド

ステップ1:損益計算書の基本構造を理解する

まずは、損益計算書の基本構造を理解しましょう。

難しく聞こえるかもしれませんが、実はシンプルです。

損益計算書は、「売上からいろいろな経費を引いて、最終的にいくら利益が残ったか」を示す書類です。

売上高・売上原価・売上総利益の意味

売上高

これは施術料金の合計です。

1回5,000円の施術を50人に行ったら、売上高は25万円です。

売上原価

商品を販売する場合の仕入れ原価のことです。

鍼灸院の場合、サービス業なので売上原価はほぼゼロです。

物販(サプリメントや健康グッズなど)を販売している場合のみ、その仕入れ原価が計上されます。

売上総利益

売上高から売上原価を引いたものです。

鍼灸院の場合、売上原価がほぼゼロなので、売上総利益=売上高になります。

これが「粗利」と呼ばれるものです。

販売費及び一般管理費と営業利益の見方

販売費及び一般管理費(販管費)

これが、鍼灸院経営で最も重要な項目です。

以下のような経費がすべて含まれます:

  • 家賃
  • 広告宣伝費
  • 消耗品費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 研修費
  • その他諸経費

営業利益

売上総利益から販管費を引いたものが営業利益です。

この営業利益が、経営の健全性を示す最も重要な指標なんです。

営業利益がプラスなら黒字、マイナスなら赤字です。

鍼灸院特有の経費項目を把握する

鍼灸院の経費には、以下のような項目があります:

家賃

固定費の大部分を占めます。

売上の10〜15%以内が理想です。

広告宣伝費

チラシ、ホームページ制作費、SNS広告、ポータルサイト掲載料など。

集客に直結する投資ですが、費用対効果をしっかり確認しましょう。

消耗品費

鍼、灸、タオル、アルコール、ペーパーなど。

毎月一定額がかかります。

通信費

予約システム、ホームページ維持費、電話代など。

意外と積み重なると大きな金額になります。

研修費

技術向上のためのセミナー参加費や勉強会費用。

将来の投資として重要ですが、やりすぎには注意です。

これらの項目を把握しておくことで、どこに無駄があるかが見えてきます。

ステップ2:月次損益計算書から3つの重要指標を確認する

損益計算書の構造が理解できたら、次は重要な指標をチェックしましょう。

売上総利益率でサービスの収益性をチェック

売上総利益率の計算式

売上総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上高 × 100

鍼灸院の場合、売上原価がほぼないため、売上総利益率は通常90%以上になります。

物販を取り入れている場合は、仕入れ原価の分だけ利益率が下がります。

例えば、売上50万円で仕入れ原価5万円なら、売上総利益は45万円で、売上総利益率は90%です。

この数字が極端に低い場合は、仕入れ価格が高すぎるか、販売価格が安すぎる可能性があります。

営業利益率で経営の健全性を判断

営業利益率の計算式

営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100

これが最も重要な指標です。

健全な鍼灸院経営の目安

  • 営業利益率20〜30%:健全な経営
  • 営業利益率10〜20%:改善の余地あり
  • 営業利益率10%以下:要注意、早急な改善が必要

例えば、売上50万円で営業利益10万円なら、営業利益率は20%です。

この数字が低い場合は、経費を見直すか、売上を増やすか、あるいはその両方が必要です。

固定費と変動費のバランスで安定性を見極める

経費には「固定費」と「変動費」の2種類があります。

固定費

売上に関わらず毎月一定額かかる経費です。

  • 家賃
  • 人件費(スタッフを雇用している場合)
  • 通信費
  • リース料

変動費

売上に応じて増減する経費です。

  • 広告費
  • 消耗品費
  • 水道光熱費(一部)

固定費が高すぎると、売上が下がったときに一気に赤字になります。

理想は、固定費が売上の50%以下です。

固定費が高すぎる場合は、家賃の見直しや、無駄なサブスクの解約などを検討しましょう。

ステップ3:数字をもとに具体的な経営アクションを決める

月次損益計算書を確認したら、必ず具体的な行動に移しましょう。

数字を見るだけでは意味がありません。

問題を発見したら、即座に改善策を実行することが重要です。

売上が目標に届いていない場合の対策

売上が目標に届いていない場合、以下の対策を検討しましょう:

新規集客施策の強化

MEO対策、SNS発信、チラシ配布など、新規患者を増やす施策を強化します。

特に、無料で月10人集客できる鍼灸院のMEOの5つの設定は無料でできる施策なので、まずここから始めましょう。

既存患者のリピート率向上

リピート率が低いと、いくら新規を集めても売上は安定しません。

施術後のフォローや、次回予約の声かけを強化しましょう。

施術単価の見直し

単価が低すぎる場合は、料金の見直しやコース設計の改善を検討します。

開業1年目でも月商80万達成!効果的な料金体系設計の完全ガイドも参考にしてください。

利益率が低い場合の価格・コース見直し

営業利益率が10%以下の場合、早急に改善が必要です。

価格設定の見直し

周辺の競合と比較して、価格が安すぎないか確認しましょう。

技術や価値に見合った適正価格に設定することが大切です。

コース料金や回数券の導入

単発施術だけでなく、コース料金や回数券を導入することで、単価アップとリピート率向上が同時に狙えます。

コース料金設定術!単価を2倍にしても患者が納得する価格戦略で詳しく解説しています。

高額商品プログラムの検討

3ヶ月集中コースなど、高額でも価値のあるプログラムを作ることで、利益率を大きく改善できます。

固定費が高すぎる場合の経費削減方法

固定費が売上の50%を超えている場合、経費削減が必要です。

無駄な経費の洗い出し

毎月の経費を一つずつ確認し、「本当に必要か?」を問いかけてみましょう。

使っていないサブスクサービスや、効果の薄い広告は即座に停止します。

固定費の見直し

通信費、保険料、リース料など、固定費を一つずつ見直します。

プランの変更や、より安いサービスへの乗り換えで、月数千円〜数万円削減できることもあります。

効果の薄い広告費の削減

広告費は、費用対効果をしっかり測定しましょう。

1人の新規患者を獲得するのにいくらかかっているか(顧客獲得コスト)を計算し、効果の薄い広告は停止します。

月次損益計算書を経営に活かすための実践テクニック

月1回15分の数字チェック習慣を作る方法

「数字を見るのは大事だと分かっているけど、時間がない…」

そんな方も多いと思います。

でも、実は月1回、たった15分あれば十分なんです。

数字チェックのスケジュール化

毎月決まった日に数字を確認する習慣を作りましょう。

例えば、「毎月5日は数字確認の日」と決めて、カレンダーに入れておきます。

チェックリストを作る

確認すべき項目をリスト化しておくと効率的です:

  • 今月の売上
  • 営業利益
  • 営業利益率
  • 主要経費の内訳(家賃、広告費、消耗品費など)
  • 前月との比較
  • 目標との差

このチェックリストに沿って確認すれば、15分で完了します。

シンプルな管理ツールで効率化する

月次損益計算書の管理は、複雑な会計ソフトは必要ありません。

ExcelやGoogleスプレッドシートで十分です。

シンプルなテンプレートを作る

以下のような項目をまとめた簡単な表を作りましょう:

  • 売上高
  • 売上原価(物販がある場合)
  • 売上総利益
  • 主要経費の項目別金額
  • 営業利益
  • 営業利益率

毎月この表に数字を入力するだけで、経営状態が一目で分かります。

施術記録デジタル化で業務効率3倍!クラウド管理システム導入ガイドも参考に、デジタル管理を取り入れてみてください。

税理士と効果的にコミュニケーションを取るコツ

税理士は経営のパートナーです。

うまく活用することで、経営改善が加速します。

月次報告を受ける際のポイント

税理士から月次報告を受ける際は、以下を確認しましょう:

  • 今月の経営状態はどうか?
  • 前月や前年同月と比べてどうか?
  • 改善すべきポイントはどこか?
  • 節税対策で今できることは何か?

経営相談ができる関係を築く

税理士は税務だけでなく、経営全般の相談もできます。

「こんな施策を考えているんですが、数字的にどうでしょうか?」といった相談をすることで、より具体的なアドバイスがもらえます。

数字の意味を質問して理解を深める

分からない用語や数字があったら、遠慮せず質問しましょう。

「この項目は何を意味していますか?」「この数字が高いのは良いことですか、悪いことですか?」

質問することで、経営数字への理解が深まります。

開業1年目で押さえるべき経営指標の目安

健全な売上総利益率の基準

鍼灸院の場合、売上総利益率は90%以上が目安です。

売上原価がほぼないサービス業の強みを活かしましょう。

物販を取り入れている場合でも、80%以上を維持できれば健全です。

もし売上総利益率が70%以下になっている場合は、仕入れ価格が高すぎるか、販売価格が安すぎる可能性があります。

理想的な営業利益率とは

営業利益率は、経営の健全性を示す最重要指標です。

目安

  • 20〜30%:健全な経営、継続可能
  • 10〜20%:改善の余地あり
  • 10%以下:要注意、早急な改善が必要

開業1年目は、まず営業利益率20%を目指しましょう。

利益率を上げるためには、売上を増やすか、経費を削減するか、またはその両方が必要です。

固定費率の適正範囲

固定費が売上に占める割合も重要です。

理想的な固定費率

固定費が売上の50%以下が理想です。

特に家賃は、売上の10〜15%以内に抑えましょう。

家賃が売上の20%を超えている場合、売上が下がったときに経営が厳しくなります。

立地選びで失敗しない!開業3年後の売上を左右する物件チェックリスト7項目を参考に、物件選びの段階から固定費を意識しましょう。

固定費が高すぎる場合は、経費削減や、自宅サロンへの移行なども検討してみてください。

まとめ:明日から実践できる月次損益計算書活用術

月次損益計算書を読めるようになることで、経営判断に自信が持てるようになります。

今回ご紹介した3ステップを振り返りましょう:

ステップ1:損益計算書の基本構造を理解する

売上高、売上原価、売上総利益、販管費、営業利益の5つの項目を把握しましょう。

ステップ2:3つの重要指標を確認する

売上総利益率、営業利益率、固定費と変動費のバランスをチェックします。

ステップ3:数字をもとに具体的なアクションを決める

問題を発見したら、売上アップ、価格見直し、経費削減など、具体的な行動に移しましょう。

数字が苦手でも大丈夫です。

月1回、15分の習慣から始めてみてください。

シンプルなExcelテンプレートを作り、毎月同じ項目を確認するだけで、経営状態が見えてきます。

そして、税理士ともしっかりコミュニケーションを取り、経営相談ができる関係を築きましょう。

経営数字を味方につければ、開業1年目の不安を解消し、安定した鍼灸院経営を実現できます。

一人で経営数字と向き合うのは不安ですよね😅

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