【鍼灸院の経営】開業1年目で失敗しない!月次決算書の見方と経営判断術

こんにちは!鍼灸院の経営塾‐AMG‐代表の宮崎圭太です。開業したばかりで、月次決算書を見てもどこをチェックすればいいか分からず、経営状況を把握できていないとお悩みではありませんか?🤔
「売上はあるのに手元にお金が残らない」「税理士に任せっきりで自分では何も分からない」「数字が苦手で経営判断ができない」そんな声をよく聞きます。
このブログでは、開業1年目の鍼灸院経営者でも理解できる月次決算書の見方と、具体的な経営判断の方法を分かりやすく解説します。この方法を実践すれば、数字が苦手でも経営状況を正確に把握でき、的確な経営判断ができるようになります。
目次
- 開業1年目の鍼灸院が月次決算書で失敗する3つの原因
- AMGメンバーの事例を元にした月次決算書活用の重要性
- 開業1年目でも実践できる月次決算書の見方5ステップ
- 月次決算書から経営改善につなげる実践的判断術
- まとめ:明日から始められる月次決算書チェックシステム
開業1年目の鍼灸院が月次決算書で失敗する3つの原因
数字を見る習慣がなく経営状況を把握できていない
開業したばかりの鍼灸院経営者が最も陥りやすいのが、施術に集中しすぎて経営管理が後回しになることなんです。
「患者さんの施術で忙しくて、数字を見る時間がない」「技術を磨くことが大事だから、経営は後回しでいい」と考えてしまう気持ち、よく分かります。
でも実は、数字を見ないことで「気づいたら赤字だった」「手元にお金がなくて家賃が払えない」という危機的状況に陥るケースが本当に多いんです。
数字を見ない経営がもたらす3つのリスクは以下の通りです:
- 資金ショートのリスク:売上があっても入金タイミングとズレて支払いができなくなる
- 判断の遅れ:問題が起きてから気づくため、対策が後手に回る
- 機会損失:効果的な施策を見逃し、売上アップのチャンスを逃す
月に一度でもいいので、数字を見る習慣をつけることが経営安定への第一歩です。
どの数字が重要か分からず判断基準がない
月次決算書を開いても、項目が多すぎて「どこを見ればいいの?」と混乱してしまう方も多いでしょう。
売上高、売上原価、販管費、営業利益、経常利益…専門用語ばかりで、何が重要なのか分からないですよね😅
この「判断基準がない」状態が続くと、以下のような問題が起こります:
- 広告費を増やすべきか減らすべきか分からない
- 値上げのタイミングが掴めない
- 経費削減すべき項目が見極められない
判断基準を持たないまま経営を続けると、間違った意思決定をしてしまい、経営が悪化する可能性が高まります。
売上と利益の違いを理解せず資金繰りに苦しむ
「今月は売上が50万円あったから順調だ」と安心していたら、翌月に支払いができなくて困った…そんな経験はありませんか?
これは「売上」と「利益」、そして「キャッシュフロー(お金の流れ)」の違いを理解していないことが原因なんです。
売上があってもお金が残らない理由:
- クレジット決済の場合、入金は1~2ヶ月後
- 一方で家賃や光熱費、材料費は毎月確実に出ていく
- この入金と支払いのタイミングのズレが資金繰りを圧迫する
売上と手元に残るお金は違う、ということを理解していないと、「売上があるから大丈夫」と支出を増やしてしまい、資金ショートに陥ります。
AMGメンバーの事例を元にした月次決算書活用の重要性
開業3ヶ月で資金ショート寸前から月商安定化に成功した事例
AMGのあるメンバーは、開業3ヶ月で資金繰りの危機に直面しました。
売上は月30万円ほどあったものの、広告費や材料費、家賃などの支払いで手元にお金が残らず、「このままでは来月の家賃が払えない」という状態だったんです。
そこで実践したのが、月次決算書を毎週チェックする習慣でした。
具体的には以下の対策を取りました:
- 固定費(家賃、光熱費)と変動費(広告費、材料費)を明確に分ける
- 利益率の低い施術メニューを見直し
- 回数券販売術!患者心理を活用した提案で売上を安定化させる方法を実践して前受金を確保
その結果、3ヶ月後には月商が安定し、利益率も20%を超えるようになりました。
月次決算書を見る習慣で経営判断のスピードが3倍になった事例
別のAMGメンバーは、月次決算書を活用することで経営判断のスピードを劇的に向上させました。
以前は「なんとなく」で広告費を使い、効果が出ているのか分からないまま続けていたそうです。
しかし月次決算書で数字を追うようになってから、以下のことが明確になりました:
- Instagram広告で新規患者1人獲得するのにかかるコストが5,000円
- リピート率が60%なので、初回5,000円の赤字でも2回目以降で黒字化
- 広告費を月3万円から5万円に増やせば、新規患者が月10人から20人に増える
このように施策と数字を紐づけて考えられるようになり、判断スピードが3倍に。
結果として開業1年目で月商80万円を達成しました。
開業1年目でも実践できる月次決算書の見方5ステップ
ステップ1:まずは3つの基本数字を毎月確認する習慣をつける
月次決算書の項目は多いですが、最初は以下の3つの数字だけに絞りましょう。
チェックすべき3つの基本数字:
- 売上高:今月いくら稼いだか
- 経費合計:今月いくら使ったか
- 営業利益:売上から経費を引いた残り(院の本当の稼ぎ)
この3つを毎月同じ日(例:月初5日)にチェックする習慣をつけるだけで、経営感覚が劇的に変わります。
簡単な記録方法:
- ExcelやGoogleスプレッドシートで簡単な表を作成
- 月ごとに「売上」「経費」「利益」「利益率」を記録
- グラフ化すると視覚的に傾向が分かりやすい
開業資金の管理から始めたい方は、資金調達完全ガイド!融資審査を通過する事業計画書の作り方5ステップも参考にしてみてください。
ステップ2:前月比較で経営の傾向を掴む
数字を記録したら、次は前月と比較してみましょう。
前月比較で見るべき3つのポイント:
- 売上の増減:先月より増えているか、減っているか
- 経費の変動:経費が適正範囲か、使いすぎていないか
- 利益率の推移:利益率が改善しているか、悪化しているか
例えば、「今月は広告費を2万円増やした結果、新規患者が5人増えて売上が10万円アップした」と分かれば、「広告費を増やすのは効果的だ」と判断できます。
逆に「広告費を増やしたのに新規が増えなかった」なら、広告の内容や配信先を見直す必要があると分かります。
このように施策と数字を紐づけることで、経営改善のPDCAサイクルが回せるようになります。
ステップ3:利益率で経営の健全性を判断する
利益率は、経営の健全性を判断する最も重要な指標です。
利益率の計算式:
利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
判断基準:
- 利益率20%以上:健全な経営状態、余裕がある
- 利益率10~20%:改善の余地あり、施策次第で伸びる
- 利益率10%未満:早急な経営改善が必要
鍼灸院の場合、利益率20~30%が理想的です。
利益率を高めるための具体的施策は以下の通りです:
- 単価アップ:施術メニューの見直しやコース料金設定術!単価を2倍にしても患者が納得する価格戦略を活用
- 経費削減:固定費の見直しや無駄な支出の削減
- 回転率向上:施術時間の最適化や予約枠の効率化
この基準を持つことで、「今月は利益率15%だから、次は20%を目指して単価アップの施策を打とう」と具体的なアクションが取れます。
ステップ4:キャッシュフローを意識した資金管理術
売上があってもお金が残らない最大の原因は、キャッシュフロー(お金の流れ)を理解していないことです。
売上とキャッシュフローの違い:
- 売上:施術した時点で計上される(入金前でも売上)
- キャッシュフロー:実際にお金が入ってくるタイミング
例えば、クレジット決済の場合、売上は施術日に計上されますが、実際の入金は1~2ヶ月後です。
その間も家賃、光熱費、材料費などの支払いは発生するため、売上があっても手元にお金がない状態になります。
資金管理の3つのポイント:
- 固定費の把握:毎月確実に出ていく費用(家賃、光熱費、通信費など)をリスト化
- 変動費のコントロール:広告費や材料費など、調整可能な費用を管理
- 運転資金の確保:最低でも3ヶ月分の固定費を手元に残す
具体的な資金繰り管理の方法は、開業1年目の資金繰り管理!月次収支表で経営を安定させる資金管理術で詳しく解説しています。
ステップ5:税理士との効果的なコミュニケーション方法
税理士は「税金の専門家」であって「経営コンサルタント」ではありません。
でも正しい質問をすれば、経営改善のヒントをたくさんもらえるんです。
税理士に聞くべき3つの質問:
- 「今月の利益率は業界平均と比べてどうですか?」
→ 自院の経営状況を客観的に評価してもらう - 「経費の中で削減できそうな項目はありますか?」
→ 無駄な支出を見つけて改善につなげる - 「この施策を実施したら税金面でどんな影響がありますか?」
→ 設備投資や雇用など、税制優遇を活用できる可能性を探る
効果的なコミュニケーションのコツ:
- 月次決算書を基に具体的な質問をする
- 「分からない」ことを恥ずかしがらずに素直に聞く
- 経営課題を共有し、数字の面からアドバイスをもらう
税理士を「税金計算の人」ではなく「経営パートナー」として活用すれば、経営の質が格段に上がります。
月次決算書から経営改善につなげる実践的判断術
経費削減の優先順位の決め方
利益率が低い場合、まず考えるべきは経費削減です。
ただし、すべての経費を削ればいいわけではありません。
削減すべき経費と削減してはいけない経費:
削減すべき経費:
- 使っていないサブスクリプションサービス
- 効果の出ていない広告費
- 過剰な在庫や材料費
削減してはいけない経費:
- 効果の出ている広告費(投資的経費)
- 技術向上のための教育費
- 患者満足度に直結する設備費
固定費削減の効果が大きい理由:
固定費は毎月確実に発生するため、一度削減すればその効果がずっと続きます。
例えば、家賃を月5万円削減できれば、年間60万円のコスト削減になります。
経費の見極め方を身につければ、無駄を省きながら成長投資ができる経営体質になります。
広告費の投資判断基準
「広告費を増やすべきか、減らすべきか」は多くの鍼灸院経営者が悩むポイントです。
判断基準となるのが、広告費対効果(ROAS)と新規獲得単価(CPA)です。
広告費対効果(ROAS)の計算:
ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100
例:広告費5万円で新規患者10人獲得、売上が20万円なら
ROAS = 20万円 ÷ 5万円 × 100 = 400%
新規獲得単価(CPA)の計算:
CPA = 広告費 ÷ 新規患者数
例:広告費5万円で新規患者10人なら
CPA = 5万円 ÷ 10人 = 5,000円
判断基準:
- ROAS 300%以上:効果的、広告費を増やす価値あり
- CPA 5,000円以下:適正範囲、継続すべき
- リピート率が高ければ、初回赤字でも長期で黒字化する
Instagram広告運用術!月5万円で新規患者20名獲得も参考にして、効果的な広告投資を行いましょう。
値上げのタイミングと判断指標
利益率10%未満なら、値上げを検討すべきタイミングです。
「値上げしたら患者さんが離れるのでは…」と不安になる気持ち、よく分かります。
でも適切な値上げは、経営を安定させるだけでなく、サービスの質を高めることにもつながるんです。
値上げしても患者が離れない条件:
- 施術の価値を明確に伝えている:なぜこの料金なのか、どんな効果があるのかを説明
- 患者満足度が高い:リピート率が70%以上ある
- 段階的に値上げする:一気に大幅値上げではなく、少しずつ調整
段階的な値上げの実践方法:
- 新規患者のみ新料金を適用
- 既存患者には「○月から料金改定します」と事前告知
- 回数券やコースメニューで実質値上げを行う
値上げの心理的ハードルを下げるには、施術単価アップ術!患者の「高い」を「価値がある」に変える価格提示法や価格表示の心理術!患者が「高い」と感じない料金設定と伝え方のコツを参考にしてみてください。
まとめ:明日から始められる月次決算書チェックシステム
月次決算書は、経営の羅針盤です。
数字を見る習慣をつけることが、経営成功への第一歩なんです。
重要なポイントのおさらい:
- 3つの基本数字を毎月チェック:売上・経費・利益を記録する習慣をつける
- 前月比較で経営の傾向を掴む:施策の効果を数値で確認し、PDCAを回す
- 利益率で健全性を判断:20%以上を目指し、10%未満なら早急に改善
- キャッシュフローを意識:入金と支払いのタイミングを把握し、3ヶ月分の運転資金を確保
- 税理士を経営パートナーに:具体的な質問で経営改善のヒントをもらう
開業1年目は分からないことだらけで不安ですよね。
でも、数字を味方につければ、着実に売上を伸ばせます。
明日から月初5日を「決算書チェックの日」にして、経営者としての第一歩を踏み出しましょう。
数字が苦手でも大丈夫です。
毎月少しずつ見る習慣をつければ、必ず経営感覚が身につきます。
開業1年目って、技術には自信があっても経営面で不安になりますよね😅
「この経営判断で合ってるのかな?」「他の鍼灸院はどうしてるんだろう?」と一人で悩むこともあると思います。
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